第4の治療!緩和ケア
西洋医学でがんの治療というと「手術」「放射線」「抗がん剤」が3大治療だが、ここ数年第4の医療として「緩和ケア」が言われるようになってきた。
「緩和ケア」と言うとどうしても「終末ケア」や「看取り」などのイメージが強く、手を施しようがない患者に麻薬を使って痛みだけ取るイメージがあるが実際はそうではない。
QOL(生活の質)を高めることで寿命が伸びることがわかってきた。
最近は初期の段階から「緩和ケア」に取り組む、腫瘍内科医もいる。
時々患者で相当な気合いを入れて治そうとしている方を見かけるが、色々な患者を見ていて、少しピントが外れたというか天然の方の方が寿命が長いように思う。
がんになれば落ち込むことは当然だが、だからと言って余りそこばかり思い詰めず、日々の生活を楽しむことに目を向けている方の方がいいように何時も感じている。
それもQOL(生活の質)が高いことにつながる。
以前りんご農家の乳がん患者が肺に転移をして、医者から「少しがんが肺に拡がったからすぐにがんセンターでMRIを撮りなさい。」と言われた後、「すぐになんか行かれませんよ。だって孫の運動会があるからそっちが先。がんセンターはその後。」といい、当時我々はビックリしてしまった経験があるが、緩和ケアから見ると正しい選択である。
ちなみにその患者のがん友(病院などで顔見知りになった患者同士)は全員亡くなったという。
がんになったことは特別なことではなく、あくまでその方の人生のほんの一部分という考え方。
そんな精神を持った方ががんに対して緩和になるのではないだろうか?