本丸以外の症状が出たら喜べ
酷い首肩の症状で通っている方が、ようやく辛さが半分になったら、「今日は腰が辛い。」と言う。仕事柄思わず喜んでしまったら、怪訝な顔をしていた。これはよくある事で、本丸が楽になったから他の症状を感じるようになったので、本来は喜ぶべき事である。しかし患者にしてみると、「人が、腰が痛いと言っているのに、喜んでいる。」と不信感をかったのであろう。治療で一番いいのは自然治癒である。辛かったけど自然に治ったというのが最高であろう。しかしそういう患者は来ない。色々やってダメだから治療をお願いしようとなるわけで、少し症状がこじれている場合が多い。多少強めに刺激すると、悪化する場合があるがそれは好転反応で数日で良くなる。そのあとが楽になる。一番困るのは辛い症状に対して何をやっても反応しない場合である。全く効いていないことを意味している。だから治療して変化するというのは良いことである。身体を変化させられる治療をしたということになる。それが功を奏せば他の辛いところを訴えてくる。だから本丸以外のことを言い始めたら、うまくいっているわけである。患者は別の所がおかしくなったと言うが、そうではない。これはもう患者の感情の問題なので、頭で理解しても中々納得はしてもらえない。何時もそんな状況と闘いながら、今日は患者が何と言うか楽しみにしている。