間違った健康食品選び

長年仕事をしていると、強者の患者が来る。
健康食品にこだわっている方の中には、以前最高で20数種類のサプリを持参し、オーリングテストで診てくれと言う方がいた。
詳しく調べたら、3種類しか身体に合っていなくて、「あとはいらないの?」と聞くので、「今の身体には必要ありません。」と答えた。
では何故こういう事が起こるかであるが、本人に聞いたら、「知り合いが多いので、少し具合が悪いというと必ず何かを勧められる。仕事柄断れずについ言われるままに買ってしまう。1度買うと良くなっても中々止めない。だから勧められたものを全部飲んでいる。さすがに20数種類はどうかなぁと思って調べてもらった。まさか3つになるとは思わなかった。」と言っていた。
これは鬱病治療薬でもよく起こる。
Aの薬が鬱病に効いてその後効かなくなる。
担当の先生は、「では薬を変えましょう。でもAが良かった時もあるわけだから、追加でBを出します。」と言って、加算方式で薬が増えてしまう。
以前最高8種類の薬を処方されていた方が来たが、さすがにこれは多すぎる。
医者と相談して3つに減らしたが、処方している先生方も、本当は試さないとわからないと感じている。
この話は健康食品だけでなく、食品にも同じ事が言える。
こだわりの調味料、あるメーカーの蛋白質、産地直送の野菜、生産者が見える牛・豚・鳥肉、現地でしか取れない水・・・。
時々50種類ぐらいの食品を持ってくる方がいるが、その選び方を聞いていると、他人から勧められたものが一番多いように思う。
そして不思議なことに、何時も必ずいい物しか勧めてこない方と、何故かその方から勧められたものは全てダメという場合がある。
人同士の相性もあるのだろうが、勧めてくださる方の体型を見てある程度の判断はつくと思う。
ガリガリの方が筋骨隆々の方から勧められたものは合わない。
細身で冷え性の女性が、太った人から勧められたものは合わない確率が高い。
体型的に似た方からのお薦めがいい。
それで経験を積んでくると、「あの人の勧めたものは大丈夫。」とか、「○○メーカーが出している物は身体に合う。」となる。
そこを乗り越え、自分の身体に問うて薬や健康食品を選ぶのが1番いい。