患者を疑う癖

左肩を痛めた常連さんが前回、末端の治療がうまくいったので、「末端が楽になるから、辛い左肩には良い環境になる。おそらくぞ辛さは半分になりますよ。」と言って本日診たら、「左肩は全く楽になっていない。むしろ辛い。」と言う。この方は以前スマホのやり過ぎで、左肩を痛めていたので、「左肩が楽になっていないのは、スマホを止めたと言っていたが、相変わらずやっているのではないか。」と疑ってしまった。仕事柄、患者さんの言うことだけ聞いて治療をすると大変なことになるのは以前から分かっているので、どうしても患者を疑ってしまう。しかし詳しく調べてみたら左肩以外の部分がすべて楽になっていた。よく言えば左肩以外は効いた。悪く言えば一番大事なところが効かなかった。身体が辛さを感じるのは、「他との差」である。前回、左肩以外が6ぐらいの辛さで、左肩が9の辛さとする。左肩以外の6が楽になれば左肩の9も落ちるはずであるが、左肩以外だけ3になり左肩が9のままだと相対的に左肩が辛くなったように感じる。左右差がついてしまったわけである。これからは患者を疑わず、「左肩だけ残る可能性もあります。」と一言付け加えようと思った。