難しい肘痛

長年仕事をしていると、時々難しい肘痛が来る。こちらもあの手この手と治療する。鍼灸、マッサージ、キネシオテーピング、固定、皮内鍼、パルス(低周波治療)、オイルマッサージと色々手を替えてやっても全く痛みに変化がない方がいる。そうなるとこちらも手の打ちようがないので、専門的なところを紹介するしかない。
紹介先はまず第一に「筋膜リリース(ファッシアリリース)」で痛みの出ている周辺の筋肉や靱帯、膜などの組織を生理食塩水を使って注射をして緩める。しかしこの専門家が東京に少なく、群馬まで行かなくてはならない。
次に、「モヤモヤ血管」である。痛みが長引くと患部周辺に新生血管を作ってしまい、そこから痛みを出す物質がにじみ出て慢性痛となることが分かっている。治療法は新しい脆弱な血管を抗生剤を使って塞栓(そくせん-ふさぐ)する。これはまだまだ新しい治療法だが保険が効かず、40万円ほどかかる。これで治癒すれば安いが、どんな治療法も100%治るということはない。ではどうしてこんなに肘が難しいのだろか?原因の一つは腕の使い過ぎが最大の原因だと思っている。腕の使い過ぎは以前から書いているように自覚症状が出ない。最近はテレワークの方が多く、自宅でだらだら長時間パソコンに向き合っている。職場と比べるとやはりパソコン環境は悪く、椅子の問題から画面の高さまで問題は多い。あとは仕事や趣味で腕を酷使する方達である。保育園の先生や釣りやテニス、ゴルフ、彫刻にパッチワークと腕ばかりに負担をかけている。自覚が出ない分、加減して欲しいが、仕事でも趣味でも徹底的にやっている方が長引いていることは間違いない。肩や膝などの関節に比べて治りにくい場合があることを肝に銘じて、悪化させないで欲しいといつも思っている。