琴線に触れる話

昔テレビでお笑いの小松政夫さんがネタを作るときの話をしていた。それは実際に見た話らしいのだが、ある車のトップセールスマンが上得意様から電話があり、「あら、○○さん、ちょっと車の調子がおかしいの?すぐ来て下さる?」と言われて、すっ飛んで行ったという。着いてすぐトップセールスマンは上着を脱ぎ、ワイシャツの腕をめくり、車の下に入って点検したという。ボンネットも開け、手から顔からワイシャツまで真っ黒になりながら、「奥様、原因がわかりました。これでお乗り頂けます。いつでも言って下さい。すぐに参ります。」と言ったという。それを見ていた奥様が感動して、すぐに友達に電話をして「いつも世話になっている○○さんがすぐに車を治してくれた。それも真っ黒になりながら・・・。あなた、彼からすぐに車を買ってあげて。」と言ったという。その後その奥様が次々に電話をして、数台車が売れたという。この話には人の心の琴線に触れる内容がある。斜に見ればわざとらしいセールマンかもしれないが、奥様の気持は良くわかる。電話口で「とにかく彼から買ってあげて。」と訴えたのであろう。情景が眼に浮かぶ。小松政夫さんもこの話を聞いてネタを作ったという。久しぶりにこの話を思い出した。