薬包と薬価
昔ある女医さんが、「俺は社長で今まで既製品の薬は効かなかった、高い薬を出してくれ。」と患者から言われた。女医さんは機転をきかせて薬剤師に、「出そうと思った薬を全て粉にして薬包(昔薬を包んでいた三角形の包)で出してあげて。値段は10倍。」と指示をした。数日後、その社長が来て、「やはり高い薬は効果が違う。すぐに効いた。」と言ってきたという。そこで女医さんが一言。「今までと同じ薬を粉にしただけなのに・・・。」人はどうも高い薬に対して期待感のようなものがある。「安い薬は効かないのではないか・・・。」我々から見ると大量に作れる薬は安いし、開発に時間と金がかかる薬は高い。薬効とはあまり関係がない。今日、坐骨神経痛で来た方も整形外科の先生がとても良い処方をしてくれたのに、「こんなに安い薬では・・・。」と飲まなかったという。我々から見たらすぐに効いたのにと思ってしまう。こういうところにも心理がある。