「何を食べるか」ではなく「どう食べるか」
患者さん中には、「マクロビや栄養学を勉強して○○を止めたり、△△をよく摂ったりしています。」と言う方は多い。気持ちは分かるが、我々から見ると、「○○の栄養素を摂っても身になる保証は全くない。」と言いたい。問題は感情や腸内細菌で、嫌な気持ちで食べていれば胃腸は働かない。いい栄養を摂ってもそのまま出してしまう。しかし喜びながら食べると、胃腸の働きは良くなり、多少の栄養不足も何とかなる。昔日本が貧乏だった頃、母親の栄養状態が良くなくても精神状態が良ければ、おっぱいをもらった赤ちゃんは下痢をしなかった。以前聞いた話で、仙人は本当に日に50-200kcalしか摂っていない。卵で言えば2個程度である。これが1日の全ての食事である。よく「霞を食べる」というが、こんな状態では栄養失調になると研究者が血液を調べたら、何の問題もなかったという。いざとなると身体は何でも作ってしまう。但し、良好な精神状態があっての話である。腸内細菌の研究も進み、世の中には青汁だけで生活している方もいる。その方の腸内細菌を調べたら、特別に青汁から身体に必要なものを合成できる菌だという。結局、「何を食べるか」ではなく、「いかに喜びをもって食を楽しむか」が大事である。鍋などは1人で豪華な具材を食べるより、大人数で「ネギ」と「コンニャク」しかなくても競って食べた方が美味しく感じる。今は「孤食」とか言っているが、せめて食を楽しみ、「今日この仕事が終わったら、○○が楽しみ。」というぐらい、憧れた食生活をしたいものである。