治療の価値観

主婦の方なら生活品はなるべく安いものをという気持ちは分かる。しかし趣味のものとなるとどうしても高い物の方が価値があるように感じてしまう。治療や健康法も同じで、高いと価値があるように感じている方は多いのではないだろうか。しかし我々から見ると治療法にかかるお金とどれだけ健康になるかはほとんど関係がない。以前、中年男性が少しお腹を引っ込めようとして脂肪を分解する治療を1回15000円で受けていたが、我々から見るとほんの少しの減量を2週間もすれば同じ事は簡単にできる。筋力アップを狙った方が高いプロテインを飲んでいたが、きな粉と何が違うのか良くわからない。骨粗鬆症の方が高いカルシウムのサプリを飲んでいたが、小魚や煮干しの方がいいと思ってしまう。最近はないが、昔腸をきれいにするために数万円払っていた方がいたが、少し断食でもして軽く下剤をかければ効果は全く同じである。以前がんの方で脚の浮腫がひどく、色々と高い薬を試したが、最終的には「ドクダミ」が一番効いた。数百円だった。おそらく、皆さんが思っているより健康維持にはそんなにお金はかからない。必要なのは知識で、高いサプリや薬ではない。では何故、高額な物が売れるのか。それはある患者にとっては健康法が趣味なのである。高いサプリや機械などを使い、「私は○○という治療法を受けている。」という心の満足である。こう考えると治療に高いお金を払っている方の気持ちは分かる。釣りでも3000円の竿と30000円の竿では気分が違うであろう。ここに気がついてから、びっくりするような高い値段を掲げている先生も必要だと思う。それは患者の趣味だから。「俺は初診料が10万円の医者にかかっている。」こう思うだけでも患者は治っていく。