瘢痕と火傷
瘢痕(はんこん)とは簡単に言えば、「傷あと」です。例えば肩の骨を折って金属のプレートを入れなければならない場合に、切ったところが皮膚の弱いですと瘢痕、ケロイドになったりすることがある。肩関節のリハビリの時はその瘢痕に触らないように気をつけるのだが、関節の状態が良くなると今度はその瘢痕が原因で可動域に制限がかってしまう。そうなると今度はその瘢痕を少しいじるわけです。もちろん皮膚の状態が落ちついてからの話ですが・・・。瘢痕に引きつる痛みがあれば少しのばのしたり、鍼灸をしたり・・・。瘢痕形成がある程度わかっている場合は、予防的にマヌーカなどの蜂蜜を使うとケロイドになりにくくなる。しかし瘢痕が酷くなってしまうと形成外科で手術です。昔はなかったですが、医者が皮膚をどうやったら術後引きつらないかをデザインして何処をどう切るか決めます。この技は見事なものです。昔病院勤務時代に骨の接合ばかり気にしていた医者がいて、皮膚の縫い方は少し雑だった。患者からは少し苦情がきたが、レントゲンを診ると寸分の狂いもなく繋げている。逆の先生もいた。皮膚のことばかりで骨のつなぎ方は少しずれていた。皮膚の話ついでにもう一つ。昨晩うちのスタッフが熱湯を足にかけてしまい、水ぶくれが破れてしまったという。こうなると医者で処置をしていただかなくてはならない。この火傷でヒヤッとする気持ちは、子を持つ親なら誰でも一度や二度は経験があると思う。担当医に、「この程度なら跡は残りませんから大丈夫です。」と言われた時の安心感は今でも覚えている。そして火傷というのは感染症が怖いのだが、本人は痛みが辛い。中々鎮痛剤だけで治まらない。治癒に2週間ほどかかるが、皮膚も人間にとって大事な臓器で、普段は有り難さをあまり感じないが、人の生活に大きく関わる。