低体温について
常連さんが、「今日行ったところはとても冷房が効いていて、冷えて体調を壊した。」と言う。この方は以前から低体温とは聞いていたが、あまりに冷えていたので、少し低体温に関しての話をした。漢方では「大椎 だいつい」というツボが首の後ろにあり、風邪などで寒気がして鼻水の止まらない時にここにお灸をするとすぐに止まる。身体が温まるツボとして有名である。自分でお灸が出来なければ直貼りカイロなどを貼るといい。「直貼」は温度が40度程度にしか上がらず、皮膚に直接貼っても低温火傷を起こさない。普通の服の上から貼るカイロでは温度が60度ぐらいで、服の厚さによっては強すぎたり効かなかったりがあるが、皮膚に直接貼れるものがあるので便利である。低体温の場合、よく根菜類を食べなさいと言う。土の下に出来るものでジャガイモやごぼう、人参、大根などである。けんちん汁などがわかりやすい。夏によく採れるキュウリ、トマトなどは体温を下げるので野菜などは温野菜にしなさいと言われている。今は一年中季節感がなく、夏野菜はあるが、毎日の積み重ねは大きい。よく年寄りが首にマフラーやハンカチを巻いているが、この大椎を冷やさないようにしているのである。昔の「ちゃんちゃんこ」や「かいまき」などもここを冷やさないようになっている。少し慣れた方ならここにご自分で温灸がいいが、昔せんねん灸で火傷をした経験のある方は、台座灸などだとある程度自分で出来る。 体温というのは本来一定になるように調整されていて、体温が1度違うというのは大変なことである。その温度でなければ働かないホルモンもある。これからの季節はクーラーが1番の問題だが、首を守り、お風呂で発汗し、それでも足らなければ直貼りや温灸をお薦めする。