身体の痛みとボヤ

常連さんが少し体を酷使して、足の指や背中が痛いという。我々は、「身体は痛みが出てしまったらなかなか治らない。だから痛みを出さないのが1番。初めての時はわからないが、何度も痛くなるまでやるのは大問題。」と指導している。しかしこれは中々理解して戴けない。世の中には限界までやらないと気が済まない方がいかに多いか感じる。以前、ボディビルをやっていた方が、身体が痛くなるまで訓練をしていて、痛みに耐えているときに、「これで筋肉がついているはず。痛くなるほど強い筋肉が出来ている。」と信じて疑わなかったという。しかし我々から見ると、端に炎症を起こしているだけで、やり過ぎれば筋肉は壊れてしまう。以前野球で三冠王をとった落合博満選手が、シーズンオフに風邪を引いた周りから、「落合さんならすぐに風邪ぐらい治るでしょう。体力十分だし・・・。」と言われたらしいが本人は、「全く逆で、1度引いたら2ヶ月は治らない。身体を酷使していると風邪を治す力が残っていない。これは説明しないと理解して戴けない。」と言っていた。プロでもいかに酷使し続けると大変かが分かる。ではどうやって皆さんに痛みに耐えないようにするか、色々例え話を考えたがボヤの話が1番伝わりやすい。「ボヤがあったらそのまま見過ごします?」と聞くと、「いやいや、そのあと大変なことになるから一刻も早く消します。」と言うだろう。「そのままほったらかし」と言う人はいないだろう。痛みも同じである。1度限界を超え、痛みを出してしまうと治癒まで大変で時間もかかる。だから火事で言えば、「ボヤすら出さない」予防が大事である。この説明は納得して戴ける。現実問題、いかに多くの方が燃えてボロボロになって来るかを知っているから、これからはこの話を多用しようと思う。