キズ治療
患者さんの中に新型コロナウィルスのワクチンを痛かった肩に打ったら、肩が楽になったという人がいたと報告を受けた。
我々が本来やっている治療自体がそうだが、身体に何らかの刺激を与えて騒ぎを起こすことである。
鍼で刺したり、灸で火傷をさせたり、指圧で押したり、もちろんツボは大事だが身体の一部にキズをつけているわけである。
キズをつけられれば身体は修復しようと血液を集めたり、白血球を増やしたりと忙しい。もちろん患部を修復するのが目的だが、現実的には周辺にも恩恵がある。例えば兄弟でお兄ちゃんが学校で何か事件を起こせば親は子供を叱るだろうが、次の瞬間弟が腹痛で病院騒ぎになればお兄ちゃんのことは忘れられてしまう。同時に2つも3つものことに関わっていられない。新しい大きな問題が小さな問題を飲み込んでしまう。我々のやっている治療はこれを使っている。だから、「刺激の種類」と「刺激の強さ」が問題で、名人と言われる先生はこの辺の加減をよく知っている。だから肩が痛くて同じように鍼を打っても名人と新人では違う結果になってしまう。昔、「お灸は火傷で何処に火傷させても同じ効果」と言った先生がいて、腰ばかりにお灸をした時代があったが、やはりツボは大事である。我々は益々このキズを勉強しなければならない。キズに答えを出す鍵が隠されている。