年12回の治療の配分

以前経理の先生が、確定申告の時期(1月~3月)になると激務になり、酷い肩こりを訴えてきた。あまりに酷いのである時、「忙しい時期に集中して治療するより、月に一度定期的にやってみたらどうですか?」と提案したら素直に受け入れ、酷い肩こりがなくなってしまった。今まで酷い時と比べて月に一度定期的になったら辛さが半分になってしまったという。当院ではこれを「誕生日日 たんじょうびび」と言っている。自分の誕生日の日にちに毎月かかると忘れない。例えば6月4日が誕生日の方なら毎月4日にかかるという事である。今までは肩こりが酷くなると頭痛が出て友達から旅行のお誘いがあっても中々ご一緒できなかったのが、身体が楽になったらひょこひょこ友達のお誘いは断らないという。月に一度かかったとして年に12回、辛い時だけ集中してかかっても年12回、同じ12回でも結果は全く違う。では何故こうなるかであるが、火種を叩いているからである。これは定期的にかかっている常連さんにも言えることだが、少し首の具合が悪くても1ヶ月以内に治ってしまう。お腹の調子が悪くても腰が辛くても何でも毎月診ているので、処置すれば簡単に治る。しかし肩が酷くなるまで待つと半年ぐらいは簡単に過ぎてしまう。首でもお腹でも腰でもどれだけ悪化するか分からない。この火種を叩いている効果で差がつく。身体は本人が自覚しないところで悪化するものである。しかし症状が出ないと患者は悪いと思わない。我々は時間が経てば身体はおかしくなるだろうと思っている。12回を上手に配分するとどれだけ予防できるか計り知れない。