どこへ行っていいか分からない

今日来た方は胃炎と声がれがあり、胃炎は薬でよくなった。声がれがあるので、「内視鏡で見てもらったら?」と言ったら、「胃カメラはやったばかり。」と言う。胃カメラは喉から食道・胃と行ってしまい声帯を診れない。耳鼻科で診てもらわないと分からない。そんな説明をして、「胃炎があったことを耳鼻科で言って下さい。」と言ったら、「え、耳鼻科で胃炎を言うのですか?関係ありますか?」というので、「声帯炎はよく逆流性食道炎で起こります。声帯を診ただけで逆流性食道炎を言う先生もいます。声帯にとってとても重要なことです。」と言ったら、「そんな事知りません。」と言う。これは仕方がないと思う。以前がんの治療をしていた方が、あまりに効果がないので何か他にやっているだろうと思って聞いたら、肝斑(シミ)のためビタミンCを摂っていた。ビタミンCは薬効をキャンセルすることが分かっているので、なんでそれを言わないのか聞いたら、「それは美容ですから、先生には関係ありません。」と言う。確かにそうだが、知識としては持っていて頂きたい。そんな話をしたら、「母が股関節が痛くて近くの整形で診て頂いて、湿布だけの処置で良くなっていません。」と言うので、「股関節は全部の整形で診られるわけではありません。整形を変えてください。」と言ったら、「え、そうなんですか?」と言っていた。また耳鼻科なども我々から見ると、「喉の医者、鼻の医者、耳の医者」と全部別である。耳の専門の先生に喉のことを言っても十分ではない。外から見ると耳鼻咽喉科なので全て診るだろうと思っているがやはり専門はある。こういう話になってしまうので患者が、「どこへ行っていいか分からない」というのは仕方がない部分はあると思う。