あれもこれも治療しない方がいい

肩の痛みで通っている人が、突然ぎっくり腰を起こしたという。下半身を調べてみると筋肉の硬さから1-2ヶ月間ほど相当負担をかけていることがわかったので話を聞いたら、「従業員が辞めてしまって私が現場で作業をすることになってしまった。少しきついとは思ってもう2ヶ月ぐらい経つ。」と言う。「いつもの肩もまだ痛いから腰と肩を両方お願いしたい。」とのことだったが、「こういう場合は腰だけ集中してやった方が成績が良いです。理由はあまり良くわかっていませんが、同時に2ヶ所やってしまうと治療効果がぼやけてしまいます。一番いいのはまず腰だけ治療する事です。腰が楽になれば肩の痛みを訴えてきますから、その時に治療すればいいです。以前も両方治療してどっちも痛みが取れていないと言われたことがよくありました。どうも身体は痛みに関して同時に2ヶ所以上のことは処理できないみたいな感じです。一つずつ順番にするのがいいです。」とこんな話をしたら、「そういうものなの?」という顔をしていた。おそらくぎっくり腰と肩を80%ずつ治療すると、両方痛いものだから残り20%の痛みをお互い足の引っ張り合いで、治っていない者同士、今までより強く感じてしまうのではないだろうか。しかし腰が終われば身体は肩のことしか訴えないから、腰からの悪影響がない。足の引っ張り合いがない。以前もブログで、「身体の何処かに痛みがあると・・・」に「身体の何処かに痛みがあると、それが影響して他のところが良くならない」と書いた。膝痛をほったらかしにしていると寝違いが治りにくいという関係である。脳の中では身体の痛みをコントロールしていて、優先順位をつけていると思う。痛みのネットワークを管理しているわけだが、おそらく脳が決めたルールに反するとうまくいかない。我々は常に身体の法則や仕組みに則って従わなければならないといつも感じている。