すべて腸で説明できる

今日久しぶりに来たお年寄りは90才で、もう30年診ている。今まで大病をしたことがなく、多少の腰痛もほぼ1回の治療で良くなる。だからおみえになるのは年1-2回程度。「最近フラフラよろけて、立ったり座ったりもしんどい。何が悪いのかわからないが、まず診て欲しい。」というので話を聞いたら、最近少し便秘が酷いという。今までは2-3日毎に出ていたのが、最近は7-10日程出ないという。それは大変だと言うことでお腹を触ったら相当硬い。「病院で検査は?」と聞いたら、「西洋医学は嫌い。薬は飲まない。検査は胸のレントゲンぐらいしか撮っていない。」と言う。「血液は?」と聞くと、「全く調べていない。」と言う。症状が、「腰痛、背中の痛み、足のふらつき、胸の圧迫、やる気が出ない、気力がない」ということなので、「それはすべて腸で説明がつきます。」と言ったら、「やる気まで?」と聞くので、「便秘になると腹筋が働かなくなり足の血行不良が起こります。当然背中も痛くなります。次に腹圧が高くなり、心臓が圧迫され胸が苦しくなり、頭にも血が行かなくなります。気力も出ません。すべて腸さえ治せば、良くなると思います。しかし年齢的に何が起こっているかわからないので、血液検査は大事です。普通そんなに便秘が酷くなると食べられないのですが食欲は?」と聞くと、「全く今までと同じで落ちていない。」と言う。これでは腸はまいってしまう。按腹と言ってお腹のマッサージを長めにして背中をほぐしたら、「何かいいみたい。」と言う。薬がいやならアロエを薦めて、様子を見てもらうことにした。不思議と帰りがけには来た時よりもシャキッと立てるし、足取りも軽い。以前から病気はドミノ倒しのように悪化すると言っている。もう少し早めに便秘対策を取っていればこうはならなかったと思う。