始めにゴルフありき
常連さんが最近ゴルフにはまっている。30代の時は時間もお金もないが、50代になると余裕が出来る。そうなると頭の中はゴルフの事ばかり。「今週もコースに行こう。」「新しいドライバーを買おう。」「時間があれば練習場に行きたい。」「膝は多少痛いが何とかなる。」頭の中すべてがゴルフ中心に回る。膝とか痛くなければ良いが、大抵の方は膝か腰を痛める。少し治療して楽になるともっと負担をかける。「少し膝が楽なので、もっと練習が出来る。」「少し腰の調子が良いので、土日は連続でコースに行ける。」膝や腰を安静にしようとか、いたわろうという気持ちはさらさらない。こうなるともう治療にならない。こういう方はよく来るが、完治を諦めてもらう。しかし現実問題は何とかしてと言われるので、治療家の立場から救われる方法をお話したい。それは膝の専門家を3-4人見つける事である。以前からいい先生と出会える確率は10%と言っているが、最低でも15-20人ぐらいの先生にやって戴き、この先生がいいというのを決めて欲しい。出来れば自宅の近くに1人、会社の近くに1人、メインの先生が一人、後は整形の医者が一人。こんな感じで先生を抱えておくと何が起こるかというと、A先生は浮腫んだときの治療がうまい、B先生は筋肉をほぐすのが上手、C先生は痛みを取ってくれる、医者は水がたまったり、痛み止めの注射の時にいい。自分の症状に応じて使い分けが出来る。Bの先生にほぐして戴き、Cの先生の鍼、だめなら医者。この組み合わせの実験をすることが大事である。そうすれば完治しないまでも相当ゴルフは楽しめる。それで20-30年ぐらい楽しんだ方達は脊柱管狭窄症か股関節症に悩む。これは仕方がないと思う。ゴルフに夢中になると、「始めにゴルフありき」から発想する。それぐらい魅力的なスポーツなのだろうが、最後の脊柱管狭窄症と股関節症は覚悟しておいた方がいい。