ゴールが見えている病気

常連さんが甲状腺の問題で悩んでいる。我々からすると甲状腺は最悪でも手術で取って薬を飲んで終わり。余程甲状腺がんが周りに浸潤しない限り、問題は起こらない。軽ければ投薬で調整が出来る。どんなに悪くでもこの範囲に収まるというのがわかっている。股関節も同じである。相当悪化しても人工関節がある。歯も同じで最悪インプラントがある。結局、「ゴールが見えている病気」は見えていないものに比べ楽である。がんが全身に広がるとか、糖尿病で血管がどんどん駄目になるとか、膠原病で自己免疫疾患でどこまで悪くなるかわからないなどとなったら、ゴールが見えない。長期間監視しながら観察するしかない。人はゴールが見えていると戦える。ゴールが見えないと相当の長期戦を覚悟しなければならず、心構えも変わってくる。仕事をしながらも、「この患者さんはゴールが見えている。」と思うと少し心が軽い。