身の耳閉感を腕で治す話

以前からメニエール病など耳に違和感があった方が、今までEAT(Bスポット療法)で良くなっていたのが、最近はやっても何故か良くならず、耳閉感まで出てきたという。話を聞くと、コロナの影響で完全にテレワークになり、今までよりパソコンに向かう時間が増えたという。ここまで話を聞いただけで、「原因は長時間のパソコンのやり過ぎによる腕のこり」とわかった。実際マウスを持つ右腕を触ったらかなり痛がる。以前から、「腕のこりは自覚が出ない」と言っている。大体どうにもならなくなるのに100日かかる。話を聞いたら、「今年の8月ぐらいからパソコンが増えた」と言う。もう5ヶ月経っている。こうなると腕のこりから首のゆがみが起こって、耳に血が行かない。鼻が原因ではないから、EAT(Bスポット療法)をやっても耳が改善しなくなる。本人は理由が分からないからこういう場合は大抵心療内科に行く。安定剤や安静で腕のこりは楽になるから、「薬が効いているみたい。私、鬱病かしら?」となる。我々から診ると単に腕がこっているだけなのに、本格的な鬱病患者になってしまう。こういうときのバロメーターは「小指と薬指の骨間」である。ここを異常に痛がる。もう腕が限界を超えている証拠である。こういう方にはいい機会だから、腕しか治療しないで耳の様子を見てもらっている。腕しか治療しないのだから、原因と結果は明確に分かる。しかしこれが効いたとして、「耳閉感を腕を揉んでもらって治った」と言って誰が信用するだろうか。まぐれとか偶然と言われるのが関の山である。しかし世の中にはこういう腕が原因で首や頭痛、耳の症状などで苦しんでいる方が沢山いる。心療内科に行く前に自覚の出ない腕を疑って欲しいといつも思っている。