身体の幸福

「身体の幸福」とは何を持って言うのだろうか?
私は、「朝起きてから夜寝るまでに身体の事が頭に浮かばない」と思っている。
頭痛や腰痛持ちの方なら朝起きた途端、「あ、頭が痛い、腰も痛い・・・」と言うだろう。
歩けば足が痛い、座り続ければ足がシビレる、食べすぎればお腹が苦しい、書類を見続ければ目が痛い・・・。
朝から晩まで身体が辛いと言い続けている方は多い。
ではどうやって身体を幸福にしてあげられるのだろうか?
理想的には朝スッキリと目が覚め、水を一杯飲んだらトイレに直行、お腹がスッキリしたら朝ご飯が美味しく食べられ、やる気満々。昼夜と仕事をこなし、仕事が終われば美味しい物を食べ。少々お酒を頂いて眠気が起こり、パタンキュー。
適度に頭と身体を使い、夜になれば解放されて無罪放免。
これが一番身体は幸福である。
しかし慢性病の方は常に苦痛と闘い、病魔におびえ、希望を持てず、いつも心は晴れない。
場合によっては痛みに耐えながら、希望が持てないのも理解出来る。
心の幸福が身体の幸福に直結しているから大変である。
身体の幸福の正解は分からないが、おそらく「借り物」という考え方であろう。
身体は自分の持ち物で何をやってもいいと思えば、当然無理をする。
身体は親からもらったもので自分では作れないと思えば、少し加減する。
時々は無理もするがちゃんとフォローもすれば、身体の幸福は保てると思う。
仕事をしていると、朝起きてから身体の事を何も感じない方には殆ど会わない。
日本人はどうしても耐える事を「美徳」とする精神文化がある。
「こんなに辛かったが黙っていた」に弱い。
しかしこれは身体の幸福に反する。
身体の幸福を考えるなら、身体が「主」であなたの心は「従」である。
この話は何年も言い続けているが未だに広まらない。
染色体に刻み込まれた日本人の遺伝子は手強いといつも感じている。