医者の勘と頭痛

頭痛持ちの常連さんがある病院で医者から、「あなた人に頼っていない?運動しなさい。」と言われたという。占いじゃないから普通こんな事を言われたら少し頭にくる方もいるだろうが、常連さんは、「そういうところは確かにあるかもしれない。先生の指導だから運動をやってみよう。」という気になったと言う。実際運動してみると明確に頭痛が減った。これは良いかもしれないというので続けているという。この話を聞きながら以前聞いた話を思い出した。腹痛患者が医者に往診を頼んだ。医者は患者の寝ている部屋に入った途端、「お前、ネギ食ったろう。明日になれば全部出て治る。」とだけ言って、身体の診察せずに帰ってしまった。翌日になり、医者の行った通り大量のネギが出て患者は治ったという。これは「医者の勘」である。本来医学知識を持った方が勘を働かせて治すのが理想的だが、その勘が最近の先生には少なくなったと以前お世話になった先生が嘆いていた。結局、勘が働かないので画像やデータを重視して、パソコンばかり眺めている医者を作ってしまった。もしかしたらこの「あなた人に頼っていない?運動しなさい。」と言った先生は素晴らしい勘の持ち主なのかもしれない。想像するにおそらく色々と調べても頭痛の原因が画像からは見つからなかったのだろう。だから勘を働かせて、「あなた人に頼っていない?」という言葉が出たのではないか。しかし医者にそう言われて素直に実行する方の方が少ないように思う。そこが運の分かれ道で、「あんなこと言われて腹立つ」と思うか、うちの常連さんみたいに従うかで運が分かれてしまう。長年治療していても本当の答えは意外と童話「青い鳥」のように身近にあるものである。人の言葉から新たな道が開けることはよくある。