一つの病気を治すと次が出てくる

常連さんの友人が、白血病で困っているという。専門病院では診て戴いているのだが体力がつかず、その病院にリハビリがないものだからどうやって体力を上げるかで困っているという。こういう問題はよく起こる。例えば乳がんの手術後に、乳房再建がよく話に出る。最近は乳がん切除と乳房再建を同時にやってくれるところもある。この知識があれば、初めからそういう病院を選ぶ。股関節の手術でも両側同時に出来るところもある。これを後で知ったら、「何だそんな病院があるのか。そこで一辺に両方やって貰えば2回手術せずにすんだ。」となるだろう。後で、「そんな病院があるのなら教えてくれれば良かったのに・・・」と我々は言われるので、そこまで意識して病院は紹介するようにしている。結局一つの病気だけでは終わらない。次に何が起こるかを予想しながら手を打っていく事が大事である。しかしこれは患者さんにはわかりにくい。乳がんの専門医は「腫瘍を取る」事しか考えないし、その後の乳房再建は形成外科で行うが、その病院に形成があればいいが、なければよその病院を紹介することになる。提携病院があればいいが、ない場合はよそは紹介しにくいのが現実である。結局、「病気だけを診る先生」と「その患者の幸福」を診る先生では判断が違ってしまう。病気は次から次へと出てくるものなので、患者の病気や幸福を全体像で診てくれて、相談出来る先生は大事である。