夫婦で違う指導

常連さんがジョギングで腕を振っていたら肩こりが酷くなったという。この方は細身の女性で、我々から診たら数kgもある腕を例え30-40分間でもジョギング中に振ったら、肩甲骨が筋肉痛を起こすだろうと思ってしまう。腕を振っても肩がおかしくならないにはならないなりの理由がある。肩甲骨周辺の筋肉がしっかりしているとか、筋肉の回復が早いとか。ちなみにこの方のご主人はボディビルをやっていたのではないかと思うぐらいいい筋肉をしている。肩関節周りの筋肉量は奥様の3倍はある。こういう方はいくら腕を振っても肩はおかしくならない。だから夫婦で指導内容が全く違ってしまう。夫婦で健康法を話し合うのがかまわないが、元の身体が違うのだからやり方が同じということはない。我々はよく、「朝食は食べた方が健康に良いのですか?」という質問を受ける。実はこれも答えにくい。ある方にはよく、別の方には悪いとしか言いようがない。実験してみて体調がいい方にしたらと言いたくなってしまう。とかく患者は単純な答えを好む。「右、左?飲むの、飲まないの?やるの、止めるの?」どっちがいいのかはその方の身体を拝見してからでないと決められない。そういう場合は、「あなたにはそういう指導がでたかも知れないけど、私は別の身体だから先生に同じ質問をしてみよう。」が正解となる。よくご主人が、「○○に関しては□□するのがいいとすごい先生に聞いてきた。お前もやれば。」となるだろうが、これは少し怖い話である。特に女性は親切心で、「私は△△で良くなったからあなたにもお勧め。」とやっているが、少しこれには疑問を持っている。それくらい治療法というのは人によって全く違うことを理解して頂きたい。