内くるぶしの痛みと過食
アキレス腱を切った常連さんが、さして走っていないのに、内果(内くるぶし)の痛みが取れないという。調べてみると、ふくらはぎが硬い。こういう硬さはすぐには取れないので、自宅で出来るレッグリフレを勧めた。さぞかしこれでくるぶしの痛みは減ったと思ったが、今日来て全然よくなっていないと言う。こうなると下半身、全て調べないと原因はわからない。まず大腿四頭筋(ふともも)、さして階段を駆け上がったり、自転車を必死にこいでいないのに深いところまで硬い。そして硬さから逆算して、走る前から硬かったとわかった。過食であればスタマックラインに出るはずだが反応が出ていない。この方には以前から何度も過食を注意している。本人的にはブレーキをかけて食べている。しかし普段ならこの程度でいいが、走って足に負担がかかると少し話は変わる。また痛む場所は内果の後で後脛骨筋の通り道である。この後脛骨筋は、以前から問題が起こる度に関わっている筋肉でくせ者である。そこで、「本人はブレーキをかけて食べているつもりだが、少々過食が続いた。その反応が太腿などに出て脚全体を硬くした。そんな時に急に走ったものだから、本来ふくらはぎなどは十分に収縮伸展して中の後脛骨筋をほぐす働きが全く働かず、アキレス腱術後の不十分なリハと共に手術痕の近くに痛みが出た。だから治療は痛む内果ではなく後脛骨筋。」と考えた。こうなると本人が、「そんなに走っていないのにすぐに痛みが出た。」や「過食は気をつけている。」「そんなにアキレス腱に負担はかけていない。」もすべて説明できる。実際治療でふくらはぎの中の後脛骨筋を触ったら案の定異常に硬い。内果の痛みはとばっちりであろう。この痛みの原因を考えるのは少し難しかった。常連さんの食生活、行動パターンなどがわからなければ解けなかったと思う。普通は「内くるぶしの痛みと過食」は結びつかない。