仕事の決め方

以前師匠から、「自分に合う仕事はない。合うまでやる。」と教わり、成る程なぁと思った。若い方がよく、「この会社は僕には合わない。」と言っているが、やはりそれではいくら会社を変えても問題解決はしない。ではどうやって仕事を選んだらいいのだろうか。理想的には具体的にこの人のようになりたいという憧れの方がいて、その仕事を身につけるべく努力をして、そこそこまでいったら後は自分のオリジナルを出すのが一番早い。ではそういう人がいなくて、どんな仕事を選んだらいいか分からない人はどうしたら良いのだろう?これには知恵がある。まずやりたくない仕事・出来ない仕事を列挙する。下記は私の場合である。

  1. ノルマのある営業(ノルマはきつい)
  2. 在庫の処理(在庫を何とかしろと言われるのはきつい)
  3. 経理関係(毎年経理の先生に教わっているが、何年聞いても簿記がわからない)
  4. 顕微鏡だけ覗いている研究職(同僚と研究はいいが、顕微鏡だけ覗いているのはきつい)
  5. パソコンに向かい合う仕事(細かい表を作り続ける)

これらは全く私には能力がない。やりたくないし、出来ない仕事である。世の中の仕事は、昔の電話帳・タウンページに全て列挙されているが、これを見てまずは消去法で、「これは無理、これはできない」と消すといい。すると何となく方向性が見えてくる。次に人に関わる仕事かどうかを決める。これでも絞れる。私などは完全に人と関わらないと面白みを感じないので、この仕事が出来なくなったら、葬儀社の案内係をしょうと思っている。その頃には白髪で少し疲れた爺さんになっているだろうから、「この度はご主人様を亡くされて、大変ご愁傷様でございます。」と年寄りが言うと重みが出る。これを余り若い方に言われてもピンとこない。次に、「休みの日でもやってしまう仕事」がいい。よくテレビドラマで子供が夜中に突然発熱して、近くの小児科のドアを叩く。中の電気がついて、「どうしました。」「子供が高熱で是非診て下さい。」という場面があるが、例え夜中でも休みでも私でも対応してしまう。「この仕事、休みの日に絶対にやらない」という気持ちなら、余りいいとは言えない。最終的に合う仕事はなく、合うまでやるのだが、範囲を狭くしてニッチな世界でトップを取るといい。以前、「一流はダメ、沢山いるから、超一流を目指せ」と書いたが、ピアノで日本一はどれだけ大変かはわからないが、余り知られていない楽器なら努力次第で超一流になれる確率は上がる。私もようやく合うまでこの仕事を続けて、最近仕事の悩みはない。「この患者どうやったらいいのだろう?」がないのである。もちろん私が全て治すわけではないが、どの先生を紹介すればがわかっているので、仕事の悩みはない。もう道楽になってしまった。こうなれたのも、「自分に合う仕事はない。合うまでやる。」のお陰である。