気が向いたらどうぞ
常連さんから、「先生はどうして患者に次の治療に関して、『気が向いたらどうぞ』と言うのですか?」と聞かれ、少し説明をした。我々治療家の価値は、「早く綺麗に治す」事。しかし患者は色々な状況を抱えて治療に来ている。膝が治らないから家事をしなくてもいいおばあちゃん。足がシビれるから優しくしてもらえる子供。患者の状況は様々である。そんな話をしていたら、「そういうえば知り合いが松葉杖をついて会社に来たら、皆から『どうしたら?』と言われ、こんなに注目されたのは初めてと言っていた。」と言う。治りたいけどこの状態のままがいいと感じている患者はどうしても一定数いる。だからそういう患者に対して、我々の基準、「早く綺麗に治す」は有り難くない。だから患者には「あなたの膝は○○だから来週来て」は迷惑。早く治りたい人は勝手に来る。そして患者がこの先生どうかなぁと思っているのに、「回数券を買うとお安いです」とか、「また来週入れておきましょうか?」は大きなお世話。患者が自分で決める。そんな経験を何度もしているので、「気が向いたらどうぞ」と言っている。本当に早く治りたい方は、「この腰、楽になりたいです。どうしたら良いですか?」と聞いてくる。そう聞かれれば、「では3日後に来て、△△と□□は気をつけて下さい。◇◇もあなたの場合はやった方がいいです。やってダメなら連絡を下さい。別の方法もあります。」という会話になる。人とのつながりというのはそういうものである。