精神疾患と脇道

Bi-Digital O-Ring Testをやっているので鬱病の患者は多い。鍼灸師だが、鍼を打って治すわけではない。「鼻-EAT(Bスポット療法)」「歯-マウスピース」「腸-乳酸菌や食生活」がメインになる。子供の病気だと母親が、ご主人のが病気だと奥様が良く一緒に来るが、病人と一緒に生活をして、その世話というのはどれだけ大変かがこちらにも伝わってくる。医者の治療だけで良くなれば良いが、中々それだけでは解決しない。そんな時に患者会が大きな役割を持っている。患者会を組織する人は大抵家族に同じ難病の方がいて、自分の体験談や病院では教えてくれない知恵を持っている。医者では「病気の治療法」を学び、患者会では「生活の知恵」を学ぶ。なので患者会で救われる家族も多い。そんな話を何十年も聞いていると、意外と精神疾患の治療は正攻法が効かないと感じる。「たまたま息子が雑誌で見つけた治療法が良くて、その治療を受けたいがために外に出た」「病気に全く関係ない方から聞いた一言にはまった」「釣り仲間に癒された」「ボランティアを始めてから良くなった」などと聞く。病人を診ている家族は必死に正攻法で攻めようとするが、その方達から見たら、「え、そんな方法で良くなるの?」と言いたくなるようなことがきっかけになる。身内は「今まで必死にやってきた私は何だったのだろう?」と言いたくなる気持はわかる。他の病気もそうであるが、答えは「鍵」と「鍵穴」である。鍵穴が病気で、我々は鍵を必死に探している。年数の長い先生だと鍵を一杯持っているので、治癒の確率も上がる。しかしこの鍵が「ちょっと脇道」に存在していたりする。こちらにしても、「それで良くなったの?」と言いたくなるケースは多い。だから何処にどんな鍵があるかわからないから、色々と試すしかない。どうしても身内は、「あの先生が○○と言ったのだから、ちゃんとやりなさい。」となるが、それで治っていればもっと治癒率は高いはずである。そして端で見ていて感じるのは、身内の場合、寄り添うほど患者が依頼心を持つので、中々これがやっかいである。患者から完全に手を離すことは出来ないが、時には距離を置くことだけでも患者は変化する。この脇道は中々くせ者であるが必ず何処かにあるので、探す手を緩めてはならないといつも思っている。