胃腸炎と火事

昨日来たぎっくり腰の方は、「最近ちょっと胃腸を壊していて・・・」と言う。「食中毒?」と聞いたら、原因は余り良くわからないが、下痢をしてほぼ70%は治ったという。話を聞きながら、「胃腸炎を完治させていないのは、腰痛を味わいたいと言っているのと同じです。我々の感覚では胃腸炎は小火(ぼや)と同じ感覚です。火が見えていて、7割消したからとは言わないでしょう。完全に消化しない限りすぐ大火事になってしまうでしょう。そんな感覚を我々は持っているのですが、患者は『大分いい』とか『昨日よりマシ』とか『取り敢えず生活できている』と言います。小火をほったらかしです。胃腸炎、特に下痢などは医者に行って抗生剤で治りますし、ビオフェルミンなどを多めに飲んでも効きます。自宅に正露丸を置いている方も多いでしょう。胃腸炎を完治させない限り、腹筋は働きません。その間、腰の筋肉は頑張り続けます。続けば簡単にぎっくり腰を起こすのは当たり前です。我々はぎっくり腰で脚やお腹をメインに治療しますが、中々お腹と腰の関係が世の中に伝わっていません。病院でも言いません。今日はお腹だけ集中治療します。」と言って、「按腹」と「キネシオ」を施したら、走れるようになった。中々このお腹の異常を火事とみてはもらえない。何十年も同じ話をしているが、中々伝わらないのが現実で、同じネタでもまた書こうと思っている。