痛みは古傷や弱いところが好き

今日来た常連さんは、前回右腕の使いすぎで肩や背中まで鍼を使わなければならないほど酷かった。その後も仕事が楽にならないので、意識して右腕を使わず左腕だけに負担をかけたという。本人はこれで右腕は何ともないだろうと思っていたと思うが、実際は使っていない右腕にもかなりの負担がかかっていた。「使っていないのになぁ・・・」と言う本人も気持ちは分かる。これには理由があって、「病は身体の古傷や弱いところが好き」という法則がある。例えば首が悪い方が腰にだけ負担をかけても、やはり首に違和感を感じる。例えは悪いが、学校のクラスの中に昔万引きをした生徒がいたとする。何か物がなくなれば、過去に万引きをした生徒がまず疑われるようなものである。病は古傷や弱いところに集まる習性がある。右腕をかばおうとして左腕に負担をかけても、身体はその負担を右腕にも強いてしまう。結果として使っていない右腕も硬くなってしまう。こういう事はよく起こる。だから普段から身体の弱点を治療しておかないと、何か事が起こったときには、「やはりそこに来たか・・・」となる。これは理屈では割り切れず、身体の習性の問題である。