左首が痛いと言われて

常連さんが左首の痛みが数ヶ月取れないと言う。こんな時は何を考えたらいいのだろうか?少し列挙してみたい。

  1. 筋肉や骨、靱帯の異常-レントゲンを撮り、何も出なければMRI
  2. 神経症状は血液などの一般検査では出ないので、専門に神経を調べる
  3. 甲状腺の異常-採血と超音波診断
  4. 喉の痛みが原因-喉の内視鏡
  5. 噛み合わせ異常-歯医者でマウスピース
  6. 左の首(鎖骨周辺)は全身からリンパが集まるところ-リンパが腫れる原因を調べる
  7. 耳の異常-突発性難聴、耳鳴り、難聴などで首の筋肉(胸鎖乳突筋)が硬くなる
  8. 腕の硬さ-腕は以前から自覚が出ないと言っている-パソコン病や過酷な生活

こんな事がすぐに頭に浮かぶ。後は一つずつ原因をつぶしていけば良い。今日来た患者は「腕のこり」が原因だった。テレワークになり通勤時間がない分、パソコンに向かう時間が長くなったと言う。オフィスのパソコンから、自宅でノートパソコンに変わったことも首に負担をかける。普通、右マウスの場合、症状は右肩に出るが、時間の経過と共に左肩によく出る。こういう患者を診るたびに、「何ヶ月もほったらかしで身体から叱られている」と感じてしまう。身体の中には2人いて、本人は、「そんなに疲れていない。痛くもない。」と言うが身体の本音は、「痛くないからってこんなに過酷なことを続けていい訳がないでしょう。少し強めに痛みを出さないと気がついてもらえない。」と言っている。いつの時代も、「本人の気持ち」と「身体の本音」の戦いである。これは当分治まりそうにない。