大事なものは目に見えない

最近は今までのリアルの学会と違い、殆どの学会がZoomになってしまった。
短い時間で多くを学べ、費用も安いことから最近は月に20-30本受講している。
土日に講義が集中するので、日に3本拝聴することも珍しくない。
専門の整形外科領域以外の耳鼻科や精神科、婦人科、救急医療などの講義も聞いている。
そんな状況で何を1番感じているかというと、「世の中にはこんなに一つのことに特化したプロがいる」ということである。
そういう方達の特徴は、「兎に角深掘りして、数字になりにくいものを数値化」している。
我々は臨床家だから実際の患者さんを治療したら、こうなったという話でいいのだが、基礎研究をやっている先生方は、論文作成することから数値化しなければならない。
しかしこの数値化が実に難しい。
当たり前を科学的に証明することほど難しいことはない。
そういう先生方の考え方を聞くと、ビックリするぐらい色々な事を考え、問題点を絞り込み、不必要なものは排除し、実験の方法や手順を絞り込み考え抜いている。
たった1ペーシの内容を発表するのにも、どれだけ裏で実験して、検証されたかわからない。
毎回頭が下がる思いで拝聴しているが、そういう先生方の地道な努力のお陰で、新しい治療法が開発されている。
こういうご発表を聞く度に、「大事なものは目に見えない」と感じる。