治療家はどんなことを考えているか
酷い肩の痛みの方が通っている。こんな時、治療家は何を考えているのだろうか?少しお話ししたい。
まず第1に痛みの原因であるが列挙する。
- 骨が原因-レントゲンで当然わかるが写らないものもある
- 関節が原因-レントゲンや超音波、動かしてみておおよその当たりがつく
- 膜・靱帯が原因-関節を包んでいる膜や筋肉を包んでいる膜
- 筋肉-伸ばしたり触ればわかる
- 神経-痛む場所や神経伸展でわかる
- 血管-炎症を診て末端まで血流があるかを確認する
おおよそはそんなところだが、まず肩に関係する骨は肩甲骨・鎖骨・上腕骨。筋肉だけでも十数本ある。血管は腋窩動脈か上腕動脈とその枝、神経は橈骨・筋皮・尺骨・正中神経あとは枝。膜や靱帯はかなり複雑。後は脂肪体など、構造を挙げればキリがない。当然原因は筋肉だけとは限らない。関節と膜と神経という具合いに複合でやられることは多い。薬も筋肉を緩めたり、神経を静めたり、遮断したりとか色々ある。血管だって異常血管をいくらでも作る。ここまで考えると頭がこんがらがってくる。実際は痛める場所はかなり定番だし、大抵の原因はわかっている。しかし問題はこう言うものをそこそこ調べても、痛みが取れない場合である。整形の先生ならすぐに、「心療内科」と言ってしまいそうである。実はそこが勉強のしどころで、それを突き詰めていって、「筋膜リリース(ファッシアリリース)」や「モヤモヤ血管」という新しい治療法が開発された。こういう新しい取り組みが、今までの整形の常識を変え始めている。痛みが取れないには明確な理由がある。最近の技術の進歩と研究者のお陰で、最近は思いもよらないものや誰も見向きもしなかったものが原因として浮上してきている。常識を疑えではないが、いつの時代も見えている先生には見えている。