顔色が悪いと言われて

今日初めて来た方は、「ここ2年位顔色が黄土色になることがある」と言う。こういう場合はまず、肝機能(黄疸)や乾皮症(みかんの食べ過ぎ)を疑う。しかし話を聞いたら、血液検査で何も引っかからないという。そうなると遺伝的なもの、「先祖は北欧系の方はいないか?」と聞いても、「いない」と言う。あとは「アトピー性皮膚炎」や「腸炎」「自律神経失調症」を疑う。「どんな時に黄土色になるの?特徴は?」と聞いたら、「不眠の時はなりやすい。薬も使っている。」と言う。こうなると、「頭への血行障害が原因」として浮かぶ。漢方の高い処方をされていて、少しは良いみたいだが、血行不良だけなら葛根湯でもいいと思ってしまう。頭には心臓から2系統で血液が供給される。「首の後ろ(椎骨動脈)」と「首の横(総頚動脈)」である。顔に血液を送るのは「総頚動脈」、だから首の横が硬くなると血行不良を起こす。首の横の筋肉は「胸鎖乳突筋」と言って、「不眠」「ストレス」「周辺の異常」で硬くなる。首を調べたら、「首のゆがみ」がある。これは顎関節異常でマウスピースで良くなる。頭の治療でも予想通り硬い。これでは頭皮に血が行かない。以前に毛髪に発育不全があったというが納得してしまった。そして顎関節を調べたら、右だけ硬い。こうなると蝶形骨の治療も必要だった。そして最後に首の矯正。この治療でどこまで良くなるかは不明だが、これは全て対処療法(単純に血行不良の改善)で、皮膚を治しているわけではない。また悪条件が重なれば黄土色は出るであろう。中々鍼灸院でこういう患者は診ないが、原因と治療法の考え方が1番大事で、久しぶりに頭が回転した気分になった。