ここが落とし穴-骨折とレントゲン

ある程度の年になると些細なことで骨が折れてしまう。
少しぶつけただけなのに「肋骨骨折」、尻もちをついただけなのに、「尾骨骨折」「背骨の圧迫骨折」。
レントゲンを撮れば全てわかると思っている方が多いが、肋骨骨折は殆ど写らない。
患部を叩いたり、捻ってもらったりして予想しながら判断する。
肋骨を痛めてしまうと胸が拡げられないので、息を吸うのがきつくなる。
肋間神経までダメージがあるとかなり鋭い痛みが2週間ほどは続く。
1番怖いのは肋骨を痛めて肺や肝臓などの臓器を傷つけてしまうことだ。
肺だと空気が抜けて呼吸困難になるし、肝臓だと出血する。
いずれも痛めた後に注意深く観察する必要はある。
尾骨骨折の痛みは今まで数人治療したことがありるがとてもやっかいだ。
激痛に耐えかね尾骨を摘出した方もいたし、神経ブロックを続けた方もいた。
それから比べると圧迫骨折は尻もちの瞬間、「グシャ」と音がする方もいるし、全く気がつかず、「なんか最近猫背になって、身長が3cm縮まった」と言う方もいる。
比較的痛みを感じないケースが多いようだ。
骨がグシャと潰れるとさぞかし痛いと思っている方は多いが、骨には神経はなく、骨を包んでいる骨膜には神経がある。
いずれにしても年齢と共に骨粗鬆症が進み、転ぶことで骨折のリスクが上がってしまう。
しかしただ安静にしているだけでは筋力低下を起こすし、骨を良い状態で維持するには「カルシウム」「蛋白質」「日光」「ビタミンD」「振動(踵に荷重をかける)」が必要だ。
よく「カルシウムはちゃんと摂っている」と言う方がいるが、骨に粘り気を出すのは蛋白質だ。カルシウムだけだとポキンと折れてしまう。
日常生活で食事、散歩、家事などで骨を現状維持できればそれが1番いい事だ。