環境で変わる風邪の治り方
冬に2人が同時に風邪を引いたとする。1人は家に帰っても家がボロくて隙間風は入るし、暖房や風呂はない。室温は外気温と同じ。温かい食事は取れないし、布団は煎餅布団。もう1人は機密性の高い家で暖房がよく効いていて、風呂で汗はかくし、温かい食事と羽布団が用意されている。同じように風邪を引いても環境の違いで、治り方は全く違うと思う。結局、風邪の問題ではなく、環境論である。もちろん風邪に対しての治療は大事だが、それ以上に環境がものをいう話である。だから例えば肘が痛い場合でも肘ばかりでなく、反対側や肩首などの状態をちゃんと診ておかないと治りが悪いのである。患者さんには良くこの話をしていて、「そう言われればそりゃそうだ。」となるが、痛いところを我々が治療しないと「痛いのは肘ですが・・・」となってしまう。頭で理解出来ることと、実際での治療の満足は必ずしも一致しないものである。