凄い世界が待っている

長年医療界にいると、時々凄い先生に出会える。日本整形内科学研究会木村裕明会長は麻酔の専門家でFascia Hydrorelease releaseという、昔風に言えば筋膜リリース(ファッシアリリース)を極められ、最近は血管リリースまで進化している。モヤモヤ血管の奥野祐次先生は元々がん治療の専門家で造影剤で血管を診ているうちに、痛みの原因に血管が大きく関わっていることを発見し、塞栓療法で難しい痛みの治療に成功している。mediVRカグラの原正彦先生はVR(バーチャルリアリティ)を使って脳梗塞などで損傷した部位の回復と共に、脳のリセットできるかもしれない器具を開発された。今まで痛みは筋肉や関節、神経で考えられていたが、かなり血管が関わっていることがわかってきて、その上、脳のリセットまで出来たら、今までの医学会がひっくり返ってしまう。今度の日本整形内科学研究会のファシア会議ではその3人が集まり、どんな話になるのかとても楽しみにしている。一昔前では考えられなかった治療法がどんどん開発され、治せない患者に対して光が当たり始めてきた。先日もセミナーで木村先生と話をしていたら先生も全く同じ考えで、「今後脊損(脊髄損傷-半身不随)まで、治せるようになるんじゃない」と言っていたが、今まで患者に諦めさせていたものが、治癒可能になるのは凄い事である。今後益々この流れは速くなり、本当に凄い世界が待っている。