医者の見立とご縁
常連さんで、長年足の痛みが取れない方がいる。
私が治療してもダメで、足の専門家に回しても、「この程度だと手術をしてもあまり楽にならないかもしれない。あなたが希望すれば開けますが・・・」と同じ内容のことを数人の先生に言われ、それなら手術はしないとあきらめてしまった。
日本でトップの足の専門家が新潟にいるので何かあればそこに送ろうと思っていたが、本人もそんなに乗り気ではない。
しかし先日ひょんな事から、手術をバンバンこなす足の専門医に診て頂くことが出来、先生から「これは私治せます。任せてください。」と初めて言われ、今までは手術してもと言われ続けましたと言ったら、「自信あります。大丈夫です。」とはっきり言われ、本人は手術を決断した。これは実はよくある話で、医者の見立はその先生のレベルによって全く違う。こんなにも違うかと言うぐらい違う。
患者は整形の先生なら全部の関節を見てくれると思っているが、そんな事はあり得ない。
手なら手だけで医者の一生が終わってしまう。
肘でも肩でも股関節でも同じである。
浅く診るのならどの関節でも出来るが、難しい患者の場合は相当の専門家でないと全く診られない。そこそこの専門家でも診れないのである。
患者は専門家なら大丈夫と思っているが、専門家でもピンキリである。
問題はそういう先生と縁が持てるかどうかである。
以前、先生との縁は患者の運次第と書いたが、このミスマッチはとても大きな問題である。
仕事柄、何とかそこを埋めようとしているが、まだまだ十分ではない。
とても大事なことで大きな課題だといつも感じている。