年をとると幸福になる

40代の常連さんが、「自分は少し年を取る事に恐怖心がある。気力低下や頭の働きが鈍くなるなど不安だ。」と言う。
気持ちは分からないでもないが、私自身この職業のお陰だが人が老いると身体と心がどうなるかを沢山診てきているので、少し違う感覚を持っている。それは、「人は年をとると幸福になる」と思っている。
今になって思い返してみると若い頃は、金の心配しかしていなかったように思う。
セミナーに出たくても出られない、夏休みはなし、正月三が日の仕事は当たり前・・・。
金にやめさせられた記憶ぐらいしかない。
しかし年をとると、「目や耳が不自由」というが、最近デパートに行っても何も目に入らない。服や鞄など目に入らない。ユニクロで下着と靴下を買うぐらいである。欲しい物がないし、スーパーでも頼まれた物以外、見ていない。色々見て悩む事がないから楽である。耳も遠くなってきたが、必要のない話などもう聞かなくてもいい。以前ブログで、「のんびり生きている親の幸福感」を書きその中で、「80才から幸福度が上がる」と書いた。これはちゃんとした研究の結果である。ではどうして年をとると人は幸福を感じるのかまとめて見たい。

  1. 時間と金銭的ゆとり
  2. 会社や組織など縛られるものがなくなってくる
  3. 必要のない人間関係からの解放
  4. 残りの人生を逆算して分かる時間の価値

子育てをした方なら分かると思うが、どれだけ多くの時間と心を子育てに取られるか。子供が育てばそれだけで親は楽が出来る。年齢とともに金銭的ゆとりが出来れば、やりたい事も出来る。私なども昔には出られなかったセミナーを今は月に30本も聞いている。昔の反動かもしれない。おそらくある年齢になれば、「戻りたい時はあるか?」と聞かれ、「今が1番いい」と言う方が多いと思う。全員が中々そうは言わないかも知れないが、戻りたい時期はないというのは、今が幸せということである。80才を超えて幸福感が増すというのは、「目が覚めただけで嬉しい」と若い頃には当たり前の事が、そうではなくなってきているからだと思う。年をとるともしかしたらこのまま目が開かないかもしれないと思っている。おそらく神様が、「朝、目が覚める事がどれだけ有り難いか」と悟らせるようにされたのではないかと思ってしまう。