セールスマンは何でも売れる
これは以前テレビで聞いた話だが 自動車のトップセールスマンが、月に何台も車を売り その売る秘訣を部下から聞かれ、「とにかくお客様の役に立つこと」と答えたと言う。しかしあまりに当たり前の言葉だったので、部下はがっかりしたという。
では具体的にはどういうことかというと、まずはじめにお金持ちに1台車を売りその奥様に、「どんなことでも言ってください。すぐ飛んできます。時間外でも正月でも大丈夫です。」と伝え、携帯電話の書かれた名刺を渡すという。ある時その奥様から電話があり、「ちょっとエンジンの調子が悪い」と言われ、すぐに飛んで行き、現場で上着を脱ぎ、腕まくりをして、車の下に入ったという。当然、顔や腕、ワイシャツは真っ黒で、「奥様、治りましたから大丈夫です。ご安心して乗っていただけます。」と言うと、その奥様が、「あら、こんなに真っ黒になってごめんなさい」と言うと、「いえいえ、ちゃんとアフターサービスもしますので、いつでも言ってください。すぐ飛んで来ます。」と帰ったという。これに感動した奥様が、お金持ちの友達に電話をして、「この間、車を○○さんから買ったんだけど、今日こんなことがあったの。彼、顔もワイシャツも真っ黒。彼は素晴らしい。だから、あなたも彼から一台買ってあげて。」と言うと売れるという。
嘘みたいな話だが、これで業績を伸ばしているという。
確かに、「とにかくお客様の役に立つこと」という秘訣はそうだと思うが、この話を聞きながら、このセールスマンは車を売っていないと感じた。
では何を売っているかと言うと、「安心感」である。
お金持ちの奥様は、今回の修理で、「車に関して何があっても彼に言えば大丈夫」という感動と大きな安心感から友達にしゃべったのではないだろうか。
以前あるトップセールスの人から聞いた話だが、「私なら商品は何でもいいんです。何でも売れます」と言っていた。
売れる売れないの本質は「商品」だけではなく、「安心感」なのではないかと思った。