身体の中の人間関係
以前ブログで、「心臓と嫁の関係」を書いた。心臓を嫁に例え、「死ぬまで休むことをゆるされず、前は骨、後ろは食道、横は肺、下は横隔膜、狭いなかで働きづめ、しかし晩年人大きく(心肥大)なる」と書いた。今日来た方も普段は下半身のコリなのだが、あまりに下半身ばかりやっていると上半身がすねると思い、腕を診たらかなり硬い。本人に聞いたら、「最近は首の調子が悪く後ろを向けない」と言う。これはいいタイミングで腕を診れたと思い、腕と首の気持ちを、「腰が辛いからっていつも腰ばかり治療してもらっていいなぁ。僕も結構頑張っているのだけど、全然診てもらえない。少しわかってもらうために、腕は自覚が出せないから首に症状を出そう。」と代弁した。そんな話をしながら、「身体の中にも人間関係があるのです」と解説したら、「人間社会と同じ」と患者は笑っていた。ではここがわかるとどうなるかであるが、若い先生だと、「腰をしっかり揉みました」で終わるが、すぐに首の症状が出る。ベテランの先生になると、「どうせ首だっていい訳がない。少し首を診て下半身とのバランスを取って、身体全体から文句が出ないようにしよう。」となり、治療のあとの結果が変わってしまう。「若いにやってもらうと腰は楽だけど、その後なんか他の場所に症状が出る。しかしベテランの先生にやってもらったあとは、何となく全身調子が良い。」と患者が感じる。身体の中の人間関係がわかると治療は楽である。