割を食う
うちは新米ママが多いが、そういう方達の話の内容は大抵同じである。「結婚前はかなり自由に何でも出来たが、結婚して子供が出来た途端、子供は言うことを聞かないし、子育てはストレスが溜まる。」と必ず言う。こういう場合、「家族の中で誰が一人が割を食うぐらいで丁度良いと以前教わった。」と言う話をする。大抵は家庭内では母親がその役である。考えてみれば自分の身体を痛め、突然母親になり、泣く子をなだめ、24時間年中無休で子育てをする。報酬などはなく、夜に寝てくれれば、その顔を見て一瞬幸せを感じる。新生児の時は2-3時間すればもうおっぱいである。寝たのかどうか分からないまま朝を迎え、ご飯の支度をする。少し休もうかなぁと思うと、赤ちゃんが泣く。午後になれば買い物や洗濯に追われ、自分の時間などない。そんな時に限ってご主人の帰りが遅い。腹に立つがぐっとこらえ、「お帰りなさい。今日もお疲れ様でした。」と言う。やはり女性が割を食う場面は多い。しかしこの「割を食う」だが、悪いことばかりではない。子供が大きくなり、家に帰って来て母親がいないと必ず、「お母さんは?」と聞く。「お父さんは?」と言うのを聞いたことがない。父の日は忘れても母の日は忘れない。昔なら特攻隊で、「お母さん!!」と言って突っ込んだと聞くが、「お父さん!!」と言うのは聞いたことがない。そして晩年、大抵ご主人の方が先に逝くから、後家さんで残る。実はその辺から今まで割を食っていたのが報われ出す。お金は自由だし、子供や孫はいるし、身体は何とか動くし、毎日豊かな生活である。だから割を食っている方は人生の晩年でいい事があるから、長生きをしなければ損である。昔は大家族でそういうことはおばあちゃんが教えてくれたが、今は核家族で身内に誰がいればいいが、中々そういう話を聞く機会の少ない新米ママも多い。長い目で見ると、割を食っているようで最後には帳尻が合うように出来ている。割を食っていると感じている新米ママ達、自分の健康に留意しながら長生きしましょう。