中々なくならない頚の痛みについて

先日、日本病巣疾患研究会に参加したときに、整形外科の先生からは、「頚の治療は難しい。上咽頭炎が原因のこともあるが、そうでないことも多い」という発表があり、歯科の先生からは、「顎関節症は頚に出る」と発表があり、耳鼻科の先生からは、「上咽頭炎をよくしても治らない頚の痛みはよく経験する」と三者三様の発表があった。
この話は私は痛いほど良くわかり私から診ると、「まず頚の痛みはEAT(Bスポット療法)で上咽頭炎を治療し、マウスピースで顎関節症を治療してもらう。それでダメなら我々が診て、それでもだめなら筋膜リリース(ファッシアリリース)を行う。」が定番である。
ではこの頚の痛み、上咽頭炎なのか、顎関節症なのか、筋膜の問題なのかどうやって見抜くのかという話になってしまう。
これは意外と難しくなく、まず上咽頭炎の場合の反応点と顎関節症の場合の反応点が明確に違う。
この2つを治療して良くならなければ、筋膜か骨格のゆがみの問題である。
こういう頚の痛み一つ取っても、隙間にはまってしまった症状は各科の先生の悩みの種である。
数人の先生の発表が終わった後、耳鼻科の先生が、「上咽頭炎を治しても頚が治らない患者送っていい?」と言われ、「先生どうぞ、私も上咽頭炎の患者送らせていただきます!!」と挨拶を交わしたが、頚の痛みが耳鼻科と歯科と整形外科にまたがってしまうとこういう事が起こる。
隙間にはまってしまった症状は各科の先生を悩ませるが、これも身体を縦割りに診る弊害である。
こういう経験をする度に、「一つの身体の中で起こっている事なのだから・・・・」と思ってしまう。