電子カルテの共有で出来ること
現在、当院は「決済」「予約」「電子カルテ」のデジタル化が一気進み、「予約の電話をしなくて良いので、こっちの方が予約を取りやすい」と概ね高評価を頂いております。
少しずつではありますが、電子カルテを導入してから、いくつか気がついたことがあります。
導入前は患者さんからラインが来て、「先生、前々回の治療の時何か言われたけどなんだっけ?」という問い合わせに、こちらも全ては覚えていないので、カルテを確認して、「膝の痛みが長引いたらレントゲンを撮って下さいと言いました。」と返信するわけです。
しかし、今後は電子カルテが共用されていますから、治療内容やしゃべったポイントなどが記載されているわけです。患者さんによっては他で治療を受けている方もいますから、その先生にうちのカルテを見せれば、「東洋さんではこう考えていて、こういう治療をしているんだ」と一発でわかるわけです。
これを続けると何が起こるかと言いますと、毎年忘年会の季節には必ず腰痛を起こすとか、お正月の3日目あたりから胃もたれが酷いとか、クーラー病は夜中にエアコンをつけ始めて2週間ぐらいで坐骨神経痛が起こるとか、1月の末にはいつも花粉症の症状が出始めるとかわかるわけです。
人の生活は殆どパターン化されていますので、その方の身体の特徴がわかれば、前もって治療をして予防が出来るようになります。
そうなるとよく患者さんが言っている、「こうなるとは思わなかった」が防げます。
中々医者のカルテが患者さんに公開されていないので、電子カルテを共用すると自分の生活と体の関係がわかるようになります。
毎年起こる症状に対して先手を打てるわけです。
これはとても大きな事です。
電子カルテがないときは治療しながら、「あれ、この症状以前もありましたよね?」とカルテをめくりながら、「あ、2年前の冬に同じ症状で通っています。その時は下痢もしていました。今回も少し下痢気味ならもっと悪化する可能性があります。」と言っていました。
しかし今後は症状が検索出来ますから、「去年はどうだったかなぁ」で調べられるわけです。
治療も、「辛くなったらかかろう」から、「このままいくと何が起こる」の予防に変わっていきます。
これはとても大きな変化で、予防でいけば身体が辛くない人生を送れるようになるでしょう。
電子カルテにはまだ不慣れですが、そんな夢を描きながら、またワクワクしてきました。