治療は「気づき」、患者は「悟り」
この言葉は以前、歯医者と酒を飲んでいて教わりました。話は私のマウスピースから、「先生、マウスピースは僕もつけているのですが、硬いとちゃんと噛み合わせが矯正されてとてもいいです。だから柔らかいマウスピースでは、矯正にならないから意味が分かりません。」と言ったら、「マウスピースの本来の目的は気づき、だから噛み合わせ異常に自分で気がついて、嚙まないようにするのが目的。だから柔らかくてもいいの。」と言われ、驚いてしまった。しかしよく考えてみると我々の治療も「気づき」のためかもしれない。「貴方の腰はこんなに悲鳴を上げています。余り無理をしないで。」と気がついてもらうためのもの。そう考えると歯医者から教わった言葉が生きてくる。そして、患者の「悟り」というのは、我々が治療して、あなたに身体の状態を伝えたのだから、そこを悟ってこれからどうするかを決めてという意味です。しかし実際問題、気づかないのか、気づけないのか、悟らないのか、悟れないかは別にして、そういう方達のお陰で我々の仕事は成り立っているので、少し微妙な気持ちです。