患者さんの基準はどれだけ痛いか

以前ブログで、「病態解釈」を書いた。少し難しい言葉だが、内容的には「どうして体がこうなっちゃったのか」を考えることである。患者さんでもうちに来て、「レントゲンを撮ってきて」と言われた方は多いと思う。患者さんにしてみると、「そんなに痛みは強くないから少し治療してもらえば治るのではないか・・・」と思っていて、レントゲンと言われると「え、必要?」と感じている方も多いと思う。これには理由があって、我々の仕事は身体の中がどうなっているか中身がわからないで、かなりの部分想像で治療をしているのが現実である。想像だけで事足りればいいのだが、長年仕事をしていると、「中はそんなになっていたの?」というケースに時々遭遇する。下記は当院の患者さんの実際の症例である。

  1. 咳の原因が胃炎だった
  2. 足の痛みの原因が筋肉が脂肪に変わっていた
  3. 治らない腰痛を調べてもらったら腰の骨が普通の人より一つ多くあった
  4. 長引く捻挫を診てもらったら靱帯がなかった
  5. 治療しても良くならない背中の痛みを調べてもらったら大動脈解離が原因だった
  6. 長引く膝痛を調べたら半月板がなくなっていた
  7. 手のシビレを診てもらったら余計な筋肉が1本あってそれが邪魔をしていた
  8. ぎっくり腰の原因が逆流性食道炎だった 

これはほんの一部である。治らない症状には必ず原因がある。長年やっていて、それだけは間違いがない。腰痛や膝痛、首の痛みなど患者から言われるとすぐに原因が10個ぐらい頭に浮かぶ。痛みが強くないからといって、安心は出来ない。そんな時、レントゲンがあるだけで、10個の原因を3つぐらいに絞り込める。患者が痛みの強さでどれくらい悪いかを判断する気持ちは分かるが、我々からすると「この症状は何から起こってどこと繋がっているの?」がとても大事で、そこを押さえないと何時までも病気が治らなくなってしまう。当院の常連さんは、「まず東洋で診てもらって・・・」と考えている方が多いが、「病院の検査の結果を持って診てもらおう」に変えて頂きたいといつも思っている。