どうして膝が痛いのに太腿を揉むのですか?

膝痛の患者さんは多い。経験上、当院に来るような患者は膝自体の構造がやられることは比較的少なく、膝周辺の不具合があって、それが原因となり膝痛を出していることが多い。
では何処がおかしくなると膝痛を出すのであろうか?
それは2つある。1つは「太腿」もう一つは「足の爪」である。
太腿の筋肉(大腿四頭筋)は膝を飛び越えて脛まで筋肉が伸びているので、膝関節を包み込む構造になっている。膝自体に対して強い影響力を持ち、この筋肉が硬くなるだけで膝痛を訴えてくる。しかし困った事にこの太腿の筋肉、自覚が出ない。我々が触ると、「え、こんなに痛いの?」と驚かれることが殆どである。この筋肉が硬くなれば膝の動きの柔軟性は失われ、膝自体に問題がなくても膝痛を訴えてくる。だからまずこの筋肉をほぐして膝痛の様子を見るのが定番となっている。
次にチェックするのは、「足の爪」である。以前診ていた患者で膝痛がどうしても治らず、足の爪を調整しただけで膝痛が取れた患者を経験してから注意深く見るようになった。これは余り知られていない。年をとると自分で足の爪など切れないし、連れ合いにも切ってもらえない。では皮膚科でやってくれるかというと、巻き爪や嵌入爪なら処置はしてくれるが、爪は切ってもらえない。当院にも爪を切るだけの目的で通っている人がいるくらいである。いずれにしても膝のレントゲンを撮って異常がなく、痛みを訴える患者は実に多い。まずは膝の取り巻きから治して、それでもだめなら膝に注射やサポーターを考えても遅くはない。