「深掘り」ではなく「広浅」
最近はZoomでセミナーが聴講できるので、昔の比べて格段に勉強できる環境が整っている。
いつも講義を聞きながら思うのは、「ではここから深掘り」と必ず担当者が言う。
毎回この言葉には少し疑問を持っている。
学問だから深掘りするのは当然なのだが、時には狭い所だけ見てしまうと、相手が生身の身体なので本当の原因を見落とすことがよくある。
先日も肩を少し動かしただけで激痛の方をどうやって治療したらいいか分からず、少しお時間を頂いて徹底的に原因を調べた。こちらは経験があるので、「関節の問題」「関節包の問題」「神経の圧迫の問題」「絞扼部位の問題」「血管の阻害因子」などおおよそこのぐらい調べれは普通は原因が見つかるのであるが、全く掴めない。
これには困ってしまって、普通は「深掘り」するのだが、ここまで調べて原因らしきものがないので、「広浅」と逆転の発想で、「痛みの原因が特定できないから、まとめて肩甲骨をガンガン動かしてみて、何とかなれば良いが駄目なら諦めてもらおう」と思い、痛みが出ないように工夫しながら少し荒っぽく肩甲骨を動かしたら、それが一番功をそうした。
昔歌謡曲で、「押しても駄目なら引いてみな」というのがあったが、突き詰めていって答えがない場合、真逆のことをやると突破口が開くことがある。これは何と言っても、数をこなしてきた経験がなければできない。
以前にも同じような経験を何度かしているので、咄嗟にこういう判断が出来るわけである。今回はたまたま突破口が開いたが、もし開かなかったら、それは私の次の課題として、また長い旅に出なくてはならない。