その程度の治療で良くなるわけがない

長年この仕事をしていると、例えば難しい腰痛患者に対して、こちらが手こずっていて、突然新人が良くしてしまうケースが結構ある。新人に対して、「何をやったの?」と聞くと、「ただ揉んだだけです」と言われ、「その程度の治療で良くなるわけがない」と思わず言ってしまう。しかしこういう経験が何度か続くと、「もしかして、こちらが何か完全に見落としているものがあるかもしれない」と思うようになってくる。先日もぎっくり腰の方を治療していて、普段なら「大腿四頭筋」「按腹」「腹部キネシオ」「小殿筋」「腸腰筋」「股関節」ぐらいで90%ぐらいの患者には対応出来るのであるが、全て痛みが変わらないという。こうなるとあとは、「単純に患部を揉む」と「矯正」ぐらいしか残っていない。恐る恐る患部を触ったら、患者が「とても気持ちいいです」と良い、これでいけると確信した。どうしても長年やっていると、「短時間に」「鮮やかに」治すことばかりに目がいってしまい、始めから患部は診ない癖がついている。しかし新人はそこを丁寧に触って治すのである。こちらも何度も失敗したから対応出来たが、こういう経験をする度に、「初心に返る」大切さを感じる。また今日から初心に戻って学ぼうという気持ちにさせてくれたぎっくり腰であった。