身体の寺子屋・真犯人シリーズ-半月板
よく膝が痛くて病院でMRIを撮り「半月板損傷」と診断を受けると、「半月板が痛みの原因」と考えがちですが、実は少し違いますので解説いたします。
- 半月板の内側約3分の2(ホワイトゾーン)には血管も神経もありません。ですからそこが切れても潰されても痛みは出ません。痛みを感じるのは半月板の外側わずか3分の1(レッドゾーン)の部分です。神経と血管が通っていますから損傷すれば痛みは出るし、血管が通っているので修復も出来るのです。では半月板内側約3分の2に神経がないのに、何処が痛むのでしょうか?それは関節を包んでいる「関節包」や「滑膜」、「靱帯」また以前お話した「膝蓋下脂肪体」の痛みを拾っているのです。特に膝周辺は神経が沢山通っています。膝の骨の変形で人工骨に取り替えても、骨とか半月板以外が原因の痛みが多く存在するので、患者さんからすると「悪い骨と半月板を取り替えたのにまだ痛い」となり、手術後のリハビリテーションは気を使います。
- 半月板は常に同じ場所に安定的に存在しているわけではなく、膝の曲げ伸ばしで前後によく動きます。そして半月板の構造が、輪状構造で上下から圧がかかるとそれを周囲に逃がす働きがあります。そして半月板損傷がおこると「半月板逸脱・半月板外方偏位」と言って骨同士の接地面積が広くなり、骨や周辺に組織に炎症が起こってしまいます。
- また半月板は圧力・変形・位置感覚・運動制御なども認識しており、膝関節の安定性に大きく貢献しています。単にクッションだけの働きではありません。
半月板一つ取っても実に巧妙な設計がなされ、調べれば調べるだけ深みにはまってしまいます。